moment :ミスフー
「お前って…貧弱な体してるよなぁー」
「邪魔なんで離れてくれませんか」
フーゴは壁に追いやられていた。
ミスタが壁に手をついてしまっているせいで、離れようにも離れられない。
「下着だけで、寒くないんですか?いくら風呂上りっていったって」
「別にー 平気ー」
ミスタからは、桃の良い香りがする。
「シャンプー 変えたんですか」
「あー… いつも使ってたやつがなくなったからよ、ナランチャの使ったんだ」
「そうですか」
「なんだよー? お前このにおい好きなのかよー」
「…別にっ そんなんじゃ…」
フーゴが言葉を言い終えるのを遮って、ミスタがぐっと抱きついてきた。
いつもならツンとした態度をとってミスタを押しのけようとするフーゴだったが、今日のフーゴはそれをしなかった。
間近で感じられる桃の香りを、肺いっぱいに静かに吸い込んだ。
陶酔にも似た感覚が、フーゴの全身を走る。
「いつもより大人しくしちゃってー俺のこと好きになった?」
「!! なんでっ そうなるんだッ!」
急に恥ずかしさを感じたフーゴは、ミスタから離れようと、体を強く押しのけた。
逃げ出そうとするフーゴを逃すまいと、ミスタはすかさず壁に手をつき、再度自分の腕の中にフーゴを閉じ込めた。
「何がしたいんですかっ」
ミスタはいつのまにやら手にしていた拳銃の銃口を、半ば無理矢理にフーゴの口に咥えさせた。
「好きっつってくれねぇとー…ぶっぱなしちゃうかも」
「んっ う」
しばらくぐりぐりと口の中を弄ばれ、フーゴから拳銃を離された。
銃口の先からはフーゴの唾液が糸を引く。
「なに、お前 興奮してんの?」
ミスタは意地悪く笑い、フーゴの頬をぐっと押さえる。
なされるがままに、フーゴはミスタの舌を受け入れた。
「はいはい じゃあ続きはまた今度な?」
数秒も経たぬ間にミスタは口を離し、そのままフーゴからも離れようとした。
無意識の内にそれを引き止めようとしたフーゴは、ミスタにぎゅっと抱きつく。
「物足りないってか?」
にやにやと笑みを浮かべるミスタを、フーゴは無言のままに睨みつけた。
「そんな上目遣い使われちゃあ…ほっとくわけにもいかないよなー」
「…あんたが 悪いんです」
ミスタは再度、フーゴに深くキスをした。
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ちょっとSっぽいミスタ
ごめんなさい
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