きのせい :ミスフー フーゴが夜遅く、玄関を開けて帰ってくると、部屋中に微かに広がる酒の匂いを感じた。 「(ああ…またか)」 呆れ半分にリビングに向かってずんずんと歩いていく。 広く敷かれたカーペットの上には、フーゴの予想通り、すっかり酔いつぶれたミスタが仰向けになって寝転がっていた。 テーブルの上にはかなりの量の空き缶が広がっている。とても一人で飲みきれるような量じゃない。 またどっかの誰かと、無茶な飲み比べでもしたんだろうな と、フーゴは大きくため息をついた。 「こんなところで寝転がってたら、風邪引きますよ?さっさと起き上がって、自分の部屋で寝てください。」 「ん〜…」 ミスタは唸るばかりで起き上がろうとしない。 フーゴはまた一つため息をつき、ミスタのすぐそばにしゃがみこみ、顔を覗き込んだ。 「…あー…フーゴだぁ〜…」 「いい加減起きて」 それでもまだ、ミスタは起き上がろうとしない。 「んぁ〜… フーゴ もっとこっち来い」 「そのペットみたいな呼び方やめて下さい。なんですか?」 フーゴは数十センチ、ミスタに近づいた。 「フーゴ、ん〜!ん!ん!」 「頭打ちましたか」 「ひでえなぁ〜 人がせっかくチューしてやろうとしてんのによォー」 「!! いっ…いい加減目を覚ませッ!!」 フーゴはそう大声をあげると、ミスタの髪を思いっきり掴み上げた。 「イッいでぇ!! わかったわかった起きるから手ぇ離せッ!」 「わかればいいんです」 「ちぇっ…」 そういうと、フーゴはミスタから手を離した。 ミスタはおぼつかない動きでのっそりと起き上がろうとする。 やれやれと一息つく間もなく、ゆらゆらと起き上がろうとしていたミスタが、フーゴをめがけてぐらんと倒れ込んできた。 「ちょっと…!ミスタ!まだ酔ってるんですか…!」 続けて文句を言おうとするフーゴの口をふさぐように、ミスタの口が重なった。 「んっ…む」 数秒経って、やっとミスタが口を離す。 フーゴはうっすら涙を浮かべながら、キッとミスタを睨みつけた。 「酒くさいです… やめてください」 「顔真っ赤にしといてよー…何を今更」 ミスタの手がフーゴの腹をつたい、服の中へと侵入してくる。 想像以上に冷たいミスタの手に驚いたフーゴは、びくんと体を反応させた。 「やっ…め、ろって…」 抵抗しようとするフーゴの手を床に抑えつけ、ミスタはフーゴの首筋にかぶりついた。 「ふ、あっ…」 急にぐんと体重がかかり、思わずフーゴは小さく呻いた。 気付くとミスタは、気を失ったように爆睡していた。 「……重い。」 _____________ なんかすいませんっした…;; backnext |