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とりあえず朝までは :アバフー

「…うおッ!なんだお前!」

「…あ 目、覚めました? こんな所で寝てたら、また風邪ひくよ。」

「お前こそなんでそんなトコに座り込んでんだよ…」

「いえ、特に意味は」

ソファーで仮眠をとっていたアバッキオが目を覚ますと、
何故か髪も服も乱れきったフーゴが、目の前にぺたんと座りこんでいた。

「今日の依頼は、そんなに激務だったのか?」
アバッキオは面倒くさそうに溜息をついた。

「? いえ、今日は待機だったんですが。そんなに疲れた顔してます?」

「じゃあなんなんだよその格好はよ…」

ひどく疲れた様子のフーゴが、惚けた面持ちで口を開いた。

「昼にね、ナランチャの勉強に付き合ってやってたんです。」

「まーた取っ組み合いの喧嘩にでもなったのか」

「ええ、まあそうです。本当、あいつの物覚えの悪さには辟易としますよ」

「でもよ、いつもならお前が一方的に暴力振るうだけだろ…なんでそんなボロボロになるんだよ」

フーゴはぼーっと宙を見つめ、深く息を吸い込んだ。

「ナランチャと一悶着終えて、少しリビングで休もうと思ったんです。
でも案の定、そこにはミスタがいて。
ゆっくり休めたもんじゃありませんでしたよ。
あまりに僕から離れないんで、思いっきり殴ってやろうと思ったんです。
そしたらあいつ、手のひら返したように大人しくなって、僕にいちごプリンをくれたんです。落ち着け!とか言って。僕のことペットか何かと勘違いしてるのかな?」

「(こりゃあ相当きてるな…)」
アバッキオは黙ってフーゴに耳を傾けた。

「せっかくもらったんでね、食べたんです。いちごプリン。
そしたらそのプリン、ジョルノのデザートだったみたいで。
体で返せだのなんだの言ってきて、大変でしたよ。
まあやっとのことでジョルノを振り切れたんですが、その途端ブチャラティから連絡がはいったんです。道に迷ったって。
二時間はかかりましたよ、見つけるのに… あの人の方向音痴は、一体いつ治るんだろう」

一通り話し終えると、フーゴは大きく溜息をついた。

「ああ…そりゃあ大変だったな… ………気のせいかなんかお前、痩せたか?」

「ついさっきまで、嘔吐が止まらなかったんです。だからじゃないかな」

「嘔吐って…お前大丈夫かよ… なんか悪いモンでも食ったんじゃねえのか?」

「暗殺チームの…メローネにもらったイチゴケーキなら、食べました」

「あいつが持ってきたもんなんてろくなもんじゃねぇだろッ!イチゴに釣られすぎなんだよお前はッ!」
アバッキオはフーゴの頭をごつんと殴った。

「で、お前いつからそこに座ってたんだよ…」

「さあ…… アバッキオの寝顔、綺麗だなあって思って…」

アバッキオ再度、フーゴの頭を殴った。

「…………痛いです。」

今にも泣きそうな表情のフーゴに、さすがのアバッキオもぎょっとした。

「疲れてんだよテメェは!さっさと風呂入って寝ろッ!」

「…そうします………」

フーゴが空ろな表情で立ち上がったかと思うと、そのままふらあっとアバッキオへと倒れこんだ。

「おいフーゴ!!」
アバッキオが怒声を上げるも、フーゴはすーすーと寝息を立てている。

アバッキオは面倒くさそうに、小さく舌打ちした。




____

なんという台本調。
アバフーっていうかなんですかこれ

私もフーゴ殴りたい。いや、アバッキオにも殴られたい。


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