◇LIQUID AND SOLID
かんたと赤い綱
「ああ、大丈夫。きっとかんた君が助けてくれるよ」
「あはは、かんたがですか?」
かんたは何にもわかっていないようで、
道ばたの草のにおいをかごうとぐいぐい引っ張ってくる。
「もう…かんた!……ちょ…っ」
かんたが一瞬、呼ばれて振り向くと、手に持った綱がゆるんだ。
そしてただ呼ばれただけだとわかるとすぐ草むらにむかう。
すると、緩んだ手から綱がスルリとぬけて、ストッパーがなくなったかんたは草むらに消えていってしまった。
「ああっ…!すいませんバート先生、また学校で!」
「Bay、アキ!気を付けなよ…特にあの小山には近付かないようにね」
忠告してくれたバート先生にとりあえず礼だけをして、
草むらから覗く赤い綱を追いかけた。
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