◇LIQUID AND SOLID
フランクと紳士
「おはようございます」
オシャレなシャツを着たバートさんは、今日も爽やかだ。
自分的に海外の人は
フランクで表現が大げさなイメージだったけど、
バートさんは表現は豊かでも、紳士的な感じがする。
「Good morning!アキ、今日の調子はいい?」
「はい、元気ですよ。あ、そういえばバートさんって先生だったんですね。やっぱり先生ってお呼びした方がいいですか?」
「いや、バートがいいね。先生と呼ばれても気付かないかもしれないなあ。周りは先生だらけだしね」
「判りました、じゃあバート先生ってお呼びします。」
「うーん…まあ、今はそれで良いよ。それより、何でここにいるんだい?危ないじゃないか」
えっ?危ない?
「…何か工事でも始まるんですか?」
まさかこの公園が取り壊しになるとか?
「いいや、違うさ。最近ここで不審者が出たらしくてね。物騒なことも多いから、皆近付かないようにしてるはずたよ」
「あっ!あの時の………」
きっとバート先生に初めてあった日に見かけた不審者だ。
そう思い出して、不審者について詳しく聞こうとすると、
バート先生はかぶせるように強引に話しかけてきた。
「不審者と遭ったのかい!?」
「い…いえ。後ろ姿を見かけただけだったので………」
「そうか…それはよかった。今日はもう帰った方がいい。散歩は他のルートを探したらどうかな」
表情は硬く、心配してくれているのがわかる。
「はい、今日はもう帰っておきます。きっと僕じゃ不審者に抵抗できませんからね…。」
よくニュースでは、被害者が犯人を撃退!などと報道されるが、
僕にそんなスキルはない。
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