◇LIQUID AND SOLID
邪魔と肩落ち
「あ…ぁああ!!」
そうだ!かんたが!
「なに?犬がどうした?」
「餌は山ほど置いてきたんですが…トイレが…。それにまだ子犬なんです。寂しがってないかな…」
何で忘れてたんだろう!
かんたがキュンキュン鳴いている姿を思い浮かべて、
急に心配になってきた。
ペットシートは2枚敷いてあるけど…もう汚れきって困ったりしてないかな。
水を零して飲めなくなってたり…。溺れるなんてないよね?
…あぁ、大丈夫かな…!
そわそわと立ち上がったりしゃがんだりするアキ。
顔は心配気に眉が下がっている。
「よし。こんな時こそこの隆兄に任せろ!アキちゃん、俺のバイクのケツ貸してやるよ。今すぐ帰ってやんな」
「う、うん!タカ、泊めてくれてありがとう。また学校でね!」
バタバタと階段を降りていくアキに、のばされた腕はむなしく宙に浮いたまま。
「え……こんなはずじゃ…はぁ…」
すっぽかしたあの日のやり直しを今日しようとしていたタカは、
邪魔が入って予定は台無し。
がっくりと肩を落としたのだった。
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