[携帯モード] [URL送信]

◇LIQUID AND SOLID
寝起きと光



「………んんぅ…ん」

自分の声で目が覚める。
何故か頭がずっしりと重くて、目も開きにくい。

目の奥が溶け出しそうな感じがする…。


「あ…あー」


しかも喉の奥が乾燥したみたいにイガイガして痛い。



「……………!?」


というか、



ここはどこ?



何故か真っ黒なシーツと掛け布団のベッドに寝ている。


部屋はメタルラックや暗色系の家具でまとめられていて、夜みたいだ。

窓を見てみるけど、真っ黒なカーテンで光が入ってこない。


「ここってタカの部屋?…今何時なんだろう。夜?」


すると、いきなり部屋がパッと明るくなった。

「…う……」

寝起きの目に光が突き刺さる。



「アキ、起きたか?」

タカの声が突然聞こえた。

新しい家だからなのか、ドアの音が一切しなかった。


「うーん」


「…どうした?どっか痛いのか」


アキはシーツにすっぽりと隠れたままだ。

ベッドの真ん中が小山になっていて、丸まっているのが判る。

「ううん…なんか明るすぎて目が痛くて…」


「ああ、結構泣いたからだな。喉乾いてないか?水持ってきたぜ」

シーツごしにアキの頭をなでて、電気を一つ消して問う。

大分と緩やかな光になったので、アキもモゾモゾとシーツから這い出た。

「ん。ちょうだい」

声を出すと喉が張り付いてこすれるみたいに痛んだけど、

水を貰うと生き返ったみたいに楽になった。


「ここはタカの家?」


「ああ。話しかけて返事がないからびっくりしたぞ。ま、その後もっとびっくりしたけどな」


「だって、なんか安心したんだもん…」


「そうか、そりゃあ光栄だな。俺でよければいつでも肩貸してやる」


ニヤニヤ笑いながら言うもんだから、からかっているのが丸分かりだ。


「もう…!…………。」
言い返す言葉が無くてむっつり黙り込む。

怒ってますのアピールだ。


しかしタカは気付かなかったようで、普通に沈黙を破った。

「今日は泊まってけよ。もう夜遅いしな。」

[*前のゴミ][次のゴミ#]

8/11ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!