◇LIQUID AND SOLID
キュンとほわっ
「…ぁあ。俺らは友達。なぁアキ大丈夫か?もう目が真っ赤だ…」
「ん…っ、なんかいろんな事、思い出してきて…っ」
母さんに捨てられたんだって事
本当は自覚してなかったみたいで、自分で言って初めて気がついてしまった。
「…ごめんな」
「…っん…?」
「その…すっぽかすつもりなんてなかったんだぜ!…あん時は昼の喧嘩の事で呼びだれてさ…」
あ…
タカは来ようと思ってくれてたんだ…!
「ううん…!そんなに待たなかったからっいいよ」
「…本当か?あの後アキと気まずくなってかなり焦った」
「あ…!ごめっ…僕無視とかっ…するつもりなかっ…たのに!」
興奮してますます涙としゃっくりが止まらなくなる。
ただ話しているだけでもしゃっくりが邪魔をして、呼吸しにくい。
「いや…それは俺のせいだ。ちょっと…むしゃくしゃすることがあって、アキにあたっちまったんだ。ごめん…。
だから、アキは何も悪くねぇよ」
とん、とん、とあやすみたいに優しくたたかれて、耳元で優しく囁かれる。
何だか心が温かくて、キュンとするような、ほわっとするような…優しくてちょっぴり切ない気持ちになった。
「うん……。」
それきり、2人の間に静寂が訪れた。
空気を読めなかった僕のしゃっくりも、
タカの手と心臓の振動で落ち着いてきた。
だけど、僕は落ち着きすぎたのか、路上にもかかわらず眠ってしまった…。
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