◇LIQUID AND SOLID
白と黒
―――死ぬのかな。
そう、思ったとき
急に僕の詰め襟は解放された。
喉がヒュッと鳴くと、空気と一緒にツバまで気管に入ってきた。
「…ッゲホッ!ゲホ……ケッホッ…!」
咳なんてしてる暇がないくらい苦しくて、体中が酸素を求めてざわめく。
とりあえず息を吸うために咳を我慢するけど、涙がでてきて腹が波打った。
戻すみたいに咳が腹からでてくる。
深呼吸を繰り返してようやくおちついたけれど…。
………見えない。
目は開いているのに何が起こっているのか全くわからない。
ただ一面に砂嵐が広がって、
何万というモノクロの虫が飛び交ってるみたいに黒と白がざわめいている。
でも
耳鳴りは気付いたら消えていて。
音を耳が感じ取ると、霧が晴れるように、虫が散っていって、
僕の前でタカがアイツを押さえてた。
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