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◇LIQUID AND SOLID
デジャビュと偶然



バートさんだった。


身長がすごく高くて、座っている僕からだと首の後ろが痛くなるくらい顔を上げなくちゃ頭が見えない。


下から見上げているせいか、ほりが深いからか…


バートさんの表情は少し怖く見えた。



「あ………?」

デジャビュ…?

今のアングルからの表情…どこかで見た?


考え込む僕の思考を邪魔するように甲高い色付きの叫び声が爆発する。


バートさんが笑ったからだ。


……やっぱり勘違いだったみたいだ。


大体知り合いなら昨日会った時点で気が付くだろう。


僕はバートさんが舞台上のパイプ椅子に座る一連の動作を食い入るように見つめていた。


3日以内とは行ったけど、まさか1日で会うとは…。


散歩で会うって意味かと思っていたけど、違ったみたいだ。



ぼーっとバートさんばかりに注がれていた意識は、やっぱりマイクに掬われた。


「イギリスからいらっしゃいました、アルバート・マンセルさんです。担当はALTの先生です。」


……なるほど、だから“仕事”か。


それにしても凄い偶然だなぁ。と、


ちょっとびっくりしながら、
笑顔を向けてきてくれたバートさんに手を振る。


っあ しまった…


キャアアアア!!
マンセル先生〜!!


案の定振り返してくれたバートさんに


燻っていた女子を熾してしまったみたいだ…。


生徒会の皆さんごめんなさい…。

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