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◇LIQUID AND SOLID
拍手と話し声


「これより、新任式を始めます。生徒、起立!」

校長先生が舞台にあがり、ちょっといい話を長々と綴る。

大体こういうのは桜が咲いたとか、それぞれの進路に向かっての心構え等…生徒にとってはあまり感心の無い話ばかりだ。

心構え?そんなもの本当は自分で解っている。



解っているのに目を反らすという事は、



他人に言われても、考えが変わるわけがないという事じゃないかな。


――――自分で痛い目に遭うまで。



三角座りできつきつに押し込まれた窮屈さに、

これだけ人数がいてもまだ肌寒い空気。


自然と体は縮こまって顔は下を向く。



ああ…眠くなってきたな…。


目の前にある膝に頭を預けようとしたとき、


急に体育館が湧いた。



生徒会長がマイクで何かを言っているが、

生徒…特に女子生徒の黄色い声にかき消されて断片的にしか聞こえない。


何が始まる…?あぁ、そうか。

どうやら新任の先生方がやっと入場してきたみたいだ。

だけどおかしい。


こういう時は大体生徒も分を弁えて拍手に声を隠しながら話すものだ。


だが今は拍手なんてほんのパラパラとしか聞こえてこない。


何だろう?


身を乗り出した生徒で後ろが見えない。


気になるが明らかにイライラとした表情の生徒指導部長が目の前に仁王立ちだ。


そこで、


目の前を通った人に…。

僕は目を見開いた。


人は本当にびっくりしたとき、あんまり反応できないものなんだなぁ…。

遠くにいった意識がそんなことを呟いた。




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あきゅろす。
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