◇LIQUID AND SOLID
壊れた原因と消えた着信
そんなことがあったから、かんたも精神的、身体的にかなり疲労しているみたい。
僕はかんたを起こさないようにして携帯ショップへ行くことにした。
―――――‐‐‐・・
「いらっしゃいませ。今日は何のご用件で?」
「あの。携帯を落として壊してしまったようなんですが…。」
「そうですか、ちょっと携帯電話を見せてもらってもいいですかね?」
店員さんは携帯の電源を入れてみたり、ボタンの隙間を覗いたりしたあと、電池パックを取り出した。
「ああー。やっぱり。お客さん、これ落ちたから壊れたんじゃないですよ。携帯に水が入ってます。どこか水たまりとかお風呂に落としたとか無かったですか?」
「ええっ?…っあ!」
そういえば、あの雨の日…びしょびしょになったバッグに入れっぱなしだった!!
「しかも、濡れたまま充電とかしませんでしたか?ボタンの隙間から見る感じから、内部が錆びてる可能性があります。」
「はい…雨に濡れた鞄にいれてて、動かなかったので電池切れかと思って…。」
「ああ…あの雨の日ですか。それならもう少し早く来てくれたらね…。もうアドレスを引き出せるかどうか…。」
「ああ…もういいです。新しい携帯ってもう契約できますか?」
「そうですか。契約は出来ますよ。この携帯は2年11ヶ月使っていますので、違約金も発生しません。」
高校の入学祝い…こんなに呆気なく壊してしまったことに申し訳なく思う…。
……あれ、なんか今ひっかかったような…?
だれ…に
「どのプランにしますか?」
「え…あっ、じゃ、じゃあ電話の無料通話が一番安くて、ぽけほーだいのやつで。」
「テレビや、がま口・ケータイは利用しますか?」
「いえ、それはいいです。」
――――――‐‐‐・・
「それではこのプランでよろしいですか?」
「はい。ここにサインすればいいんですよね。」
「…はい。ご契約ありがとうございます。こちらが新しい携帯電話と、電池パック、イヤフォンでございます。」
「ありがとう。」
こじゃれた携帯会社の袋を受け取った。
あとは帰りにスーパーの五時から市に参加して、夕飯を確保しよう。
店員さんの挨拶を後ろに、今日のハードスケジュールはやっと落ち着いた。
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