◇LIQUID AND SOLID
目覚ましと未確認物体
ジリリリリリリリリ!!!
どこか遠くでベルがなっている……。
意識は完全に浮上していなくて、
金縛りに合ったように体が動かない。
そのまま睡魔に身を委ねてまんじりともせずにいる……。
しかし、頭は覚醒し始めてくるもので、音が近くなってくる。
――――うるさい…。
手当たり次第に目覚ましがあるだろう場所を探る。
ぱふっ…ばふばふ………ペチッ
「うぅ…んー…?」
なんだか身に覚えのないものに手が当たって、
何だろうかと確認するようにぺちぺちと叩く。
「何…これ…う゛っ!」
未確認物体は手から放れ、あれ…と寝ぼけた頭が考える前に、
腹に乗りあがってきた。
空きっ腹の胃がぐっとつぶされて思わずうめき声が出た。
「あー…かんたかぁ…。」
流石に起きて腹の上を見ると、
例の白がさした恨めしそうな目をしていた。
「あれかんただったの?ごめんごめん。お詫びにエサ多めにするからね〜。」
途端、かんたはアキを思い切り踏み台にして台所へ駆けていった。
もう言葉覚えたのかな?それにしても初めて覚えた言葉がエサって……本当にすごい食い意地だなぁ…。
相変わらずなかんたのことを考えながら、
朝に弱くてぐったりしている体と胃を起こして台所へ向かった…。
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