◇LIQUID AND SOLID
頭痛と膝
「そしてこの教室には女子がいなくなりましたとさ。ってか。やめろよ笑えねえ。」
「僕はそこまで言ってな」
「おっと!噂をすれば何とやら…例のイケメン様がお帰りになったぜ。」
釈然としないながらも促されて見た先にいた男は…。
確かに。納得のイケメンだ。黒髪短髪で、前髪はアシンメトリー。髪で少し隠れた左目は涼しげで、田舎には無い洗練された空気をまとっている。
しかもかなりの女子に囲まれていながら飛び抜けていて、
女子からは芸能人がそこにいるかのような高ぶった熱気が感じられる。
「すげえな。」
「ああ、僕は近付きたくないな。」
「キンキン声に頭がイカれそうだ…。」
「また二日酔いか?一応未成年なら自重しなよ。」
「そんな飲んでねえし。二日酔いも酷くなかったけど、ここまで超音波だとつれえ…。」
ついに転校生とその熱狂的ファンが教室に入ってくると、
リョウはパッタリと力尽きたように僕の膝に落ちてきた。
「おい、重いよ。てか膝がよごれるよ。」
「お…まえ…ひでえよ。俺の頭は汚物か…。」
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