今日もチロちゃんは恋をする。 動けない人 「小川がふった。」 それは、受験で退屈していた三年生の僕達に、光の速さで駆け巡った。 「は?振られたんじゃなくて?」 こんな感じに。 チロちゃんてば、実はかなりの有名人。 顔も、頭も、スポーツだって、性格だってヤバくない、むしろ良い奴位なのに、何で彼女できないんだ?て、 多分、みんな思ってるんだ。 チロちゃん、 チロちゃん、 今、チロちゃんが見てるのは僕だよね? 僕なんだよね? じゃあ、 早く、早く、僕を声に出して呼んでよ。 僕はもう、言っちゃったから、 動けないよ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |