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今日もチロちゃんは恋をする。
認めない人






体育の授業中、
呼ばれた気がした。

チロちゃん、

て。
呼ばれた気がした。
小さいころ、彼奴は、千宗って言えなくて、俺を舌っ足らずな甘えた声で呼んだ。

チロちゃん。


迷わず、彼奴の教室を見上げる。
窓枠に肘を付いて、此方を見ない彼奴に、苛立ちを覚える。
俺が好きだって言ったくせに。
いっつも俺の後ろでチロちゃん、て呼んだ癖に。


しばらく、
こっち向けって念じてみたけど、効果はさっぱりなかった。
あーいやだ。
こんなの俺じゃない。
これじゃ俺は彼奴が好きみたいじゃないか。











彼奴がこっちを見ないのがむかつく。

俺を呼ばないのが、




堪らなく、やるせない。





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