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突然の雨に降られて




突然の雨だった。
まるで台風だな、
と人事のように近道になる予定だった公園の東屋に飛び込んだ。
ぐっしょりと濡れた髪をかき上げて初めて、先客がいるのに気付く。
俺は距離を取って椅子に腰掛けた。
手に持った茶封筒は、湿ってしっとりとしている。
慌てて、中身を確認すると無事のようだった。
俺のアルバイト先は、この公園を突っ切って出てしまえば、目と鼻の先にある。
迎えに来て貰おうか、と携帯を取り出した時にだった。


「はい。」


目の前に、傘の柄が差し出された。
コンビニのビニール傘。
俺はそれを辿って顔を上げた。
男にしちゃ、細い手が、傘をふる。


「君、公園でたとこの設計事務所に行くんでしょう?持っていきな。」


色の白い男だな。
と思った。
30か、それ以上か。
黒い瞳がやたらキラキラして見えた。
無言で自分を見詰める俺に対して気を悪くした風もなく、
男は、ほら。とまた傘を振る。
柄を取ればいいのに、俺は思わず、その人の手に重ねるように、手を置いた。
片眉を上げた男に、はっとする。
気が付くと傘を奪って東屋を飛び出していた。





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あきゅろす。
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