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二度目の恋は






完全に、
忘れていた。




成宮がこんなにモテるということを。


校舎の裏に隠れるように立つ人影に、慌てて身を隠す。
長身の方に見覚えがありすぎる。
立ち去るタイミングを逃して、こそこそと足を動かす。

男子校の為か、同性愛者には寛容で、時折、確かにこういう光景は見かけたし、自分が呼び出しを受ける側にもなった事はある。
でも、
こんな風に気持ちをざわつかせるような事は、ただの一度もなかったのに。
ツキツキと痛む胸を押さえる。
この距離では姿を確認するしか出来ない。
飛び出してしまいたいが、気持ちをきちんと伝えてもいない分際で、とすんでのところで、嫌な性質が発揮される。


立ち去れないのは、自信がないからだ。


ぼんやりとそれでも目は離せない。






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