ラブラブには程遠い。
◆
困り果てるチロちゃんが可愛いそうになる。
「お前、何か変だぞ?」
「そうかな?気のせいだよ。」
立ち上がる。僕も授業だ。
「おいって、」
掴まれた腕をやんわりと、ほどく。
驚く程、自然に笑みがこぼれた。
「早く行かないと、僕も授業だし。」
「……、今日バイト?」
「うん。帰るのは朝方かな。先に寝ててね」
待ってて貰った事なんてないけど。
ダメだ、なんか今、僕、すごいダメだ。
「わかった」
教室を出てすぐ別れた。
ちょっと行って、振り返ってみたけど、チロちゃんは一度も振り返らずに、さって行った。
想いの違いって、多分こういうとこに出るんだな。
チロちゃんと、僕の想いには、多分、決定に違うなんかがあるんだ。
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