ラブラブには程遠い。
◇
ボンヤリと授業を聞いていた僕は、授業が終わっているのにも気付かなかったみたいだ。
「おい!」
呼ばれて、肩が跳ねた。
「チロちゃん…」
「家の鍵開けっ放しでどこ行ってたんだよ?」
「え!開けっ放し!」
「そうだよ、待ってても帰って来ねーし、ほら、鍵。」
鍵を受け取る。
珍しいな、チロちゃんが自分から僕の所に来るなんて。
「あー…、あと、ほら、ケーキ、サンキュ。うまかった。」
もしかして、罪悪感でも感じてるのかな。
「チロちゃん、僕の事好き?」
「ああ゛!?ひっ人が聞いてたら」
「今なら誰もいないって、」
ぼんっと真っ赤になったチロちゃんに、苦笑いがこぼれた。
これが嘘だったら、何を信じればいいのかな。
「嘘、冗談だよ。チロちゃん次授業でしょう?早く戻らなきゃ。」
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