ラブラブには程遠い。
◇
ズキズキとするこめかみを揉む。
落ち着け、落ち着け僕!
服は着てる。
うん。
服は乱れてはいるけど、ちゃんと着てる。
しっかりチロちゃんの手は胸を鷲掴みにしてるけど。
おもわず、自分の平らな胸を見下ろす。
身じろぎしたチロちゃんに、僕はおもわず、自分の部屋に音を立てないように、駆け込んだ。
僕はこれっぽっちも悪くないのに、
何だか変な罪悪感が湧いてくる。
ごめんなさい、ごめんなさい。
チロちゃんその人は誰?
そこで、何をしようとしてたの?
なんで、
なんで、今日に限って、部屋に上げたの?
なんで、
チロちゃんの誕生日を僕に、
僕だけに祝わせてくれなかったの?
視界が滲んで来て、僕は慌てて、ベッドに飛び込んだ。
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