ラブラブには程遠い。
◆
黙ってしまったチロちゃんに、
ああ、いよいよ終わってしまう。
と、心の中で呟いた。
「いい機会かもしれないね。そもそも、チロちゃんは女の子を好きになれるんだから、ここらへんで、軌道修正しとけば?部屋も見つけたしさ、すぐ出てくよ。元々チロちゃんは乗り気だった訳じゃないんだしさ。」
バンっとチロちゃんが扉を叩く。
「お前、いい加減にしろよ!なんだよ部屋って!」
「だから、見に行ったんだよ、チロちゃんの誕生日の次の日。」
「なっんで!」
「自分が一番分かってるだろ!無理だったんだよ!止めとけば良かったんだ!」
「いっ「千宗ー?」
」
呼ばれて、チロちゃんは言いかけた言葉を飲み込んだ。
「とにかく、後は、帰ってからだ。」
さっと出て行くチロちゃんに、もう話す事なんて必要ないよ、と呟いたけど、きっと聞こえなかった。
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