チロちゃんは叶わない恋をしている。 いたい 「断ったよ」 「だったら、何」 放課後一人教室で日誌をつけてるチロちゃんの背後に立つ。 やっぱりチロちゃんは振り向かない。 「チロちゃん」 「…」 「チロちゃん、チロちゃん、チロちゃん、千宗、…好きだよ。」 びくりと肩が揺れた気がした。 「ラブの意味で。抱かれたいと思ってる。だから、ね、何時も上手くいかないように邪魔したんだ。ごめんね。」 なんだか、もう、何でもいいや。 強張った肩、僕より広い背中。 みんな観る目ないよね、僕なかんかよりチロちゃんの方が絶対いいのに。 「…き、もち悪ぃ」 「だよね。」 「っ!」 振り返った気配があったけど、僕は気づかないふりをしてチロちゃんに背をむけた。 胸がいたい。 指先までいたい。 いたい。 いたいよチロちゃん。 [*←][→#] [戻る] |