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-変革- ※夢の調べ読者は此処から。



……琳、朝霧琳……



…琳…、朝霧……琳…。



『…五月蝿い』


 未だに慣れたと胸を張っては言えない学校生活を終えて、友人(多分)の相手もどうにか終えて、漫画を軽く三、四冊程読んで、ベッドに入った。
 漸く体を休めれると思った矢先に聞こえた、最早聞き慣れた声に、私は不機嫌に言葉を返す。


 声がすると言っても、部屋には誰も居ない為、傍から見れば独り言なので、友人が覗いてやいないか内心冷や冷やものである。


 …琳……朝霧……琳………


『余り他人の名前を連呼しないで下さい。それと、用件は何ですか?』


 他人の安眠を妨害した上に用件も無しに名前を呼び続けられるのは、良い気持ちがしない為、此方から用件を尋ねる。

 早く寝たくてならないのだ。

 眠い目を擦り、欠伸を一つ浮かべる。


「少し高校生活をしたくありませんか?」

『何でですか?』


 すると、例によって訳の分からない提案をしてくれたので、丁寧に拒絶の意を含ませて、真意を窺う。

 元々高校生だった私達を中学一年生まで若返らせておいて、また高校生活をしろとはどういう了見なのだろうか。

 元が中学生であれば、わあ…高校生活やってみたいですー、なんて夢見がちな科白を何も考えずに言うかもしれないが、現実を知った者が態々そんな要求を呑む訳がない。


「何で?分かりませんか?」

『分かれば、エスパーか何かだと思います』

「そうですか…」


 何か思案するように、相手の言葉が切られた。
 残ったのは沈黙だけなのだが、得体の知れない声の出所で彼が笑んだ気がした。
 それも、嫌な感じのだ。
 それは勿論、気のせいなんかではなく、彼はいつもと変わらぬからかう調子で平然と衝撃的な事を言ったのだ。


「では、行って来て下さい。行けば分かりますよ」


『ふぇっ…!?』



 途端に、光が辺りを包み込み、視界の全てを奪う。
 以前経験したソレ同様に、意識も何もかもが光に引っ張られ、持っていかれた。


「嗚呼、死なないで下さいね」


 意識が途切れ行く中、その科白だけがはっきりと聞こえ、私は光の中へと堕ちた。


世界が替わる。




♯零-終-

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あきゅろす。
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