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見上げる戯言



千切れた羽が
白く舞う。
何もかもを覆うように
降り積もる。

澄みわたる空と
宙に消える吐息
頬を打つ冷めた風

流れる雑音と
響く誰かの詩

擦れ違う無色の人々
翼亡き生き餌
ただ生きるだけの
死待ち人。

冷めた空気と
褪めた世界と

握った拳は何も掴めず
何も捕まえられず
ただそこにあるだけ

何かがあると思っていた
そこに解の手掛かりを求め
探し続けた。
何もないと分かって
認められず。
一人虚しく
塵漁りを繰り返す。

見つかったのは夢の残骸。
夢追い人の亡骸。

積もり積もった
塵の上で見上げた空は
それでも澄みわたり

千切れた羽が
白く舞う。
何もかもを覆うように
降り積もる。

消え行く夢は白く散り。
最期の輝きはそれでも
綺麗に世界を彩る。

翼亡き鳥は
ただ地で這いつくばり
輝く終わりを望む。
遥か先
広がり見下ろす空を見上げ。
羽ばたく自分を望む。

千切れた羽が
白く舞う。
何もかもを覆うように
降り積もる。




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