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「これを見ろ」


 リボーンさんがボクの足許で獄寺さんと十代目さんに促した。
 途端に十代目さんが顔を真っ赤にして両手を突きだして、慌て始めた。


「な、何言ってんだよリボーンっ!?そ、そそそ、その子、女の子だぞっ!」


「……っ!!」

 その言葉に獄寺さんも顔を赤らめ俯いた。

 …二人ともどうしたんだろ?

 ズガンッ!!!

「ヒィッ!?」

「んなっ?!」


 ボクが不思議がるのとほぼ同時。室内に渇いた大きな音が鳴った。
 十代目さんの腕がそれに反応して上を向いた。

 …万歳?何か良いことがあったのだろうか?

 音のした方を一瞬前の記憶を辿って視線を彷徨わせると、リボーンさんに辿り着いた。
 その手には拳銃が握られていた。


 ドクンッ。


 先ほどは感じなかった胎動を胸の奥に感じた。
 それが何かが分からない。その感覚を表現する言葉が分からない。
 だから、不思議、としか言えない。


「心葉ちゃんっ!?」


『!?』


 十代目さんの声、ボクの名前らしい呼び名を呼ぶ声がした。
 何かが弾けた様に瞳を開く。知らず知らず瞼を下ろしていたみたいだ。


「どうかしたか?」


 足許ではリボーンさんが変わらない表情でボクを真摯に見詰めている。

『え?』

 分からない。どうしたのか。どうなったのか、分からない。

「え?じゃねぇっ!急に意識飛ばしやがって、十代目に心配かけんなっ!」


 獄寺さんが凄い剣幕でボクへ叫ぶ。

 …意識を失った?

 分からない。銃声を聞いて、リボーンさんを見て、その手に拳銃があって……そこから、意識を失った…?


『…ごめんなさい……』


 分からない、けれど、心配をかけてしまった。だから、謝罪が条件反射に口を出た。


「いや、まあ……分かりゃあ良いんだ」


 そう呟くように言うと、獄寺さんはそっぽを向いてしまう。

 …怒らせたのだろうか?


 それすら、よく分からない。

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