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『それで、ボクはどうしたら良いんですか?』
少し経って、テーブルを囲んで黙り込んでいた三人に、ボクは気になったことを聞いた。
さっきまでの話だと、ボクはどうやら自分の家には帰れなさそうだし、かといって、本来ボクがどうする予定だったのかは、まるで覚えてない。
その為、ボクはどうして良いか分からない。
「ひとまず、ここで暮らせ」
「「なっ!?」」
即答したリボーンさんに、10代目さんと獄寺さんが大きな声を上げた。
思わず耳を塞いでしまった。
「あ、ご、ごめん」
ボクに気付いて、10代目さんが振り返って慌てて謝る。
何か悪いことでもしたのだろうか?
ダンッ!!
その後ろで、硬質の打撃音が鳴って、ボクと10代目さんはそちらに視線を向けた。
「そんなこと、10代目の右腕である自分は許せません。こんな何処の馬の骨かも分からないヤツを10代目の側に置くなんて、コイツが暗殺者やスパイだとしたらどうするんスかっ!!」
獄寺さんは身体を反らしてボクを指差して、リボーンさんに訴えている。
眉間の皺がさっきよりも増えていた。
「獄寺君、それは言い過ぎじゃ…」
「いいえ、10代目。コイツが小由良心葉を殺して擦り代わり、記憶喪失を語って小由良本人に成り済ましている可能性があります」
獄寺さんは、控え目に進言する10代目さんの顔の前に手のひらを突き出して力説した。
…何も覚えてないのは本当なんだけど。
そう思ったけれど、覚えていないからこそ、自分が小由良心葉だと証明できない。
どうすれば獄寺さんを納得させれるのだろう。
出来得る限り考えたけれど、何一つとして良い方法が思い浮かばなかった。
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