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声のした方向を見ると、頭の上で髪を立てた?纏めた?で、前髪を真ん中で分けた女の人が長い棒を持って立っていた。
上着は短くお腹が少し見えている。寒くないのかな、と思った。
あと、片方の目を隠しているのが不思議な人だと思った。
「あ、クローム。えっと、こんにちは…?」
「こんにちは、ボス。と…?」
綱吉さんが少し頬を赤くして何時ものような困っているみたいな笑みを浮かべて挨拶した。
女の人…えっと、クロームさん?は挨拶を返して、ボクを見て首を傾げた。
「あ…、この子は心葉。今家で預かってる?子なんだ」
すかさずボクをちょっと見て綱吉さんはクロームさんに言った。
『小由良心葉です…クロームさん…?宜しくお願いします』
「……っ…あ…よろしく」
続けてボクが挨拶すると、クロームさんが消えそうな小さな声で答える。綱吉さんより顔が赤くなっていた。
不思議な人だな、と思った。
綱吉さんとボクとクロームさんは近くにあった横に長い椅子に座った。ベンチというらしい。
奥からクロームさん、綱吉さん、ボクの順番で座った。綱吉が肩を縮ませて小さくなった気がする。もじもじ?というのだろうか、ぶるぶるというのだろうか?目がクロームさんもボクも見ていない。
どうしてだろう?分からない。
暫くの間、誰も声を出さなかった。
「………」
「………」
『………』
やっぱり誰も話さない。
もう暫く誰も話さなかった。
「あの、ボス…?」
そして、更に時間が経って、さやさやとクロームさんが綱吉さんに話しかけた。
綱吉さんが大きく肩を弾ませる。
「っ!ど、どうしたの?」
「あの、…」
『…?』
クロームさんは息を飲むように、言葉を飲んだ。
それから、静かに言う。綱吉は表情を固くした。
「…骸さんが、会いたいって」
『はあっ?!』
綱吉さんが大きく叫ぶと、クロームさんの居た場所から煙みたいなものが出て何も見えなくなった。 直ぐに、その中に人のような形が見えて、不思議な笑い声が聞こえた。
「クフフ…」
何だろう?
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