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 ボクの席は窓際の最後尾で、其処は急拵えな様で、隣には誰も居らず、自分から話そうと思わない限りは、無理に話さずに済む。
 話す事さえ分からないボクにとっては、この上なく平穏な場所だった。



 四つ目の授業中、ふと窓の外へと視線走らせる。
 すると、其所には今の私や周りの人達とは違った服装の人達が大勢居て、その中に綱吉さんと獄寺さんを認めた。


 …あれは何をしているのだろうか。


 白い物が、四角形を描く様に等間隔で配置され、その一角に防具を着けた人を挟んで、大人と長い棒を持った人が居る。

 その一角とは反対側の一角には人が居らず、その少し後方に二人、更に後方に三人がまるで五角形を描く様に立っていて、白い物が描く四角形の他の二隅と、四角形の中心にも各々人が立っている。

 また、其とは別に、少し距離を置いた所に、教室の前方にある深緑色の板に脚が着いた様な物が設置されていて、それを挟んで、人が各々立ったり座ったり、雑談したりしていた。


 四角形の中心に居る人が、白くて小さな物を、棒を持った人の居る方へ投げ、其を棒を持った人が棒を降って、逆方向へ飛ばす。


 人の集まりが、両手を上げたり、跳び跳ねたりしている。
 しかし、それが、つと水を打ったように溜め息を吐き始めた。
 何事かと、見渡すと、綱吉さんが長い棒を持って、防具を着けた人の所へ歩き出していた。


 

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あきゅろす。
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