T・S-side
ジリリリリ…。
五月蝿い位に目覚まし時計の音が、ぼんやりした意識の中に突き刺さる様に鳴っている。
…朝かぁ。
声にならない言葉がポッと頭に浮かんで、別の言葉に刷り代わろうとする。
…もう少し寝よ…。
「うぎゃああっ?!」
そう思い再び布団に身を埋めた瞬間、身体に激しい衝撃が走り、オレは跳ね起きた。
伸ばした足の先で、スーツに身を包んだ赤ん坊が両手を腰に手を当ててオレを見据えていた。
「いつまで寝てんだ、ダメツナ」
「朝から何すんだよっ!リボーン!!」
恐らく蹴られただろう背中を擦りながら、怒鳴るも、
「いいから早く学校に行きやがれ」
「なっ!?」
躊躇なく構えられた銃に、慌ててベッドから出て準備に取り掛かった。
…ニッ、なんて笑いやがって、こっちは笑えないんだって。
洗面所に行くと、昨日から居候に加わった女の子が歯を磨いていた。
今一全体的によく分からない上に記憶喪失という、不思議でしょうがない女の子だ。
名前は日本人っぽいんだけど、短い髪は獄寺君と同じ銀色でその辺りもよく分からない。
…それにしても、この家居候とか多いよなー
「あ、あの…じゅ、十代目さん、おはようございます」
オレに吃驚した様に慌てて歯磨きを済ませた彼女は、恐る恐るという風に挨拶をしてくれた。
そんなにびくびくされると此方もどうしていいか分からなくなって、慌ててしまう。
「あ、お、おはよう」
案の定、たった一言に噛み噛みになってしまった。
…は、恥ずかしい…オレ。
自分のダメさに赤面してしまう。
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