11 「コイツが小由良心葉本人なのは分かりました、けど、何で記憶喪失なんてものになったんです?」 少しの沈黙の後に、獄寺さんは、リボーンさんへと訊いた。 それには、十代目さんも大きく頷き、リボーンさんへ答えを促している。 正直なところ、それはボクにとっても知りたい内容であった。 やはり、分からないのは、表現し辛いが、身体の中にもやもやした渦が重く渦巻いている様で、このままを保ちたいとは思えない。 そういうわけで、リボーンさんは三人の視線を集めることになった。 しかし、 「知らねーぞ」 その一言であっさりボク達の視線を軽く受け流した。 「知らないのかよ!!」 十代目さんの叫び声が上がる。 獄寺さんは苦笑いを浮かべて人差し指で頬を掻いている。 獄寺さんも多分、十代目さんと同じ様な事を言いたかったんだとは思う。 けれど、獄寺さんは、ハハ…と渇いた笑いを溢すだけだった。 「オレは心葉を預かってくれとしか言われてねーんだ。記憶喪失なんて聞いてねーんだから当たり前だろ」 「威張るなよぉ…」 えっへん。 そんな効果音が付きそうなほど堂々とリボーンさんは胸を張っていて、不満気な十代目さんは力を失ったように、その場に膝からへなへなと崩れ落ちた。 [*前へ][次へ#] |