10
「これ…」
足の裏を見た瞬間呟いてしまった。
「これはお前のファミリーの紋章みたいなもんなんだぞ」
リボーンさんが言う。
ボクの目に映ったそれが、ボクがいたらしいファミリーの紋章だと。
足の裏、親指の下の辺りに、四つのダイヤ形の模様が内側にある小さな円と、それに重なる様に更に小さな、重り合った三つの円が一つ、その計四つの円を取り込む様に大きな円が一つ描かれた模様が刻まれていた。
「月の満ち欠けと、四つの針を持った時計を記した紋章。小由良道玄をボスとするテーンポファミリーの証だぞ。それも実子のだ」
いつの間にか隣に座って、リボーンさんが解説してくれた。
「テーンポファミリー?」
自分の父親がボスだというファミリーの名前を口にする。
やはり、何一つとして思い浮かぶモノがない。
「テーンポファミリーですか?」
ぼんやりしていると、獄寺さんが割って入ってきた。
釣られるように十代目さんもこちらを向いて、首を傾げた。
「確か…時間、取り分け、タイムトラベルについて研究しているって言う、胡散臭いファミリーですよね」
腕を組んで、訊ねる様に獄寺さんはリボーンさんを見た。
「ご、獄寺君…そんな言い方は…ちょっと…」
十代目さんが慌てて獄寺さんに言い寄る。
あ、すみません、と獄寺さんは十代目さんに向かい、頭を掻いた。
「よく知ってたな獄寺。大体そんな感じだぞ」
「ありがとうございます!リボーンさん」
十代目さんを意に介さない様にリボーンさんが頷くと、獄寺さんは顔を崩して笑んだ。
…こんな顔もするんだ。
なんて思っていたら、その隣で十代目さんが何故かを口を横に広げて、目を点にしていた。
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