D ―――カーン。 カーン―――。 ―――カーン。 カーン―――。 なんだろう。 甲高い音が聴こえる。 何か金属と金属がぶつかり合うような音だ。 どこかで聞いたことがある。 どこだったろう。 ええと…。 確か…。 うーん…。 “教会ではないですか?” あ、そうだ。 教会だ。 学校の近くにある、何か出るって有名な、教会だ。 そうだ。そうだ。 ……… 『……あふっ?!』 変な声を出してしまった。 “おやおや、女の子が出すとは思えない声だ” 恥ずかしさに全身が熱を帯びていくのが分かる。 穴が在ったら漏れなく入りたいぜ。 いや、ちょっと待て。 それどころじゃないだろ。 慌てながら辺りを見回した。 真っ暗で真っ黒だ。 目は開いている。 目を閉じたまま、見えないよー、などと言う様な天然さは持ち合わせていない。 昔クラスに居たなー。 て、回想に耽っている場合でもない。 汗が頬を流れ落ちる。 “先程から慌ただしいようですが、どうかしましたか?” いやいや。 慌ただしくもなりますよ。 もう一度辺りを見回した。 やはり真っ暗で真っ黒だ。 『ここ何処よ!?貴方誰よ?!』 [*前へ][次へ#] |