E 『琳、アンタ大丈夫?』 ウチは大きく肩を竦めた。 天然だとは知っていたが、まさか、ここまでとは。 ボディーガードの必要性を提案したい。 或いは、病院。 「…あ、鴻」 今、気付いたという風に、目をぱちくりしている。 おいおい、眼科にも行かせなきゃならないか? 大きく溜め息をした。 「こんな所で何してるの?」 『それはウチの台詞だって!!』 で、叫んだ。 全く、この娘は…。 計算だったら恐いな。 「あ、う…ごめん」 思わず叫んだウチの言葉に、琳は驚いた様子で頭を下げた。 …ああ、もう何なんだ、この娘。 かわい過ぎるぜ、こんちくしょー。 ウチは今までの疲れも何処へやら、駆け出し、琳に抱き付いた。 …癖です。変な感情は無いです。 皆よくしてる、してるってば。 「ちょ…鴻、くる、苦しい、よ」 琳は離れようともがく。 大体堪能したところでウチは解放してやった。 服を払いながら、上目遣いに睨んでくる視線が少し心地好い。 『ところで、さ』 視線は無視でウチは、外れに外れた路線を戻しに掛かる。 『アンタ、どうして此処に来たの?』 琳は大きな瞳を更に大きくした。 [*前へ][次へ#] |