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さて、どうしようか。

校門付近にある、知らないオジサンの銅像に背を預けて腕を組む。

校舎を挟んで向こう側の校庭からは、運動部によって出される幾つもの音が混ざり合った雑音が聞こえた。


カーン――。


それに、ひどく澄んだ音が交じった。
何だろう?
何処かで聞いたことがあるような気がする。

挙動不審になるのは分かってはいたが、あっちへこっちへ、首を回らせ、辺りを伺った。

――カーン。

また聞こえた。
何だ?
何の音だっけ?
首を回らせる速度が増す。
忙しない動作が繰り返される。

カーン――。

――カーン。

それに呼応するかのように、その音も繰り返される。
分からないことへの焦りと苛立ちが身体の中を駆け巡っていくのが分かった。

何だ?
何の音だ?

カーン――。

――カーン。

何処かで、誰かと…。
誰か?
誰だっけ?

『あ……。』

間抜けな声が出た。
そうだ。
彼女と聞いたんだ。

『琳』

彼女の笑顔が浮かんだ。
その笑顔が光に融けて消えていく。

そして。

“彼女は此処にいますよ”

声が、聞こえた。

それを合図にウチはまた走り出した。
何処へ、かは分からない。
だけど、不思議と其処に、彼女の元に行ける気がした。


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あきゅろす。
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