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「今年も組の勝敗をにぎるのはやはり棒倒しだ」


 話し合いもいよいよ佳境なようで、聞き覚えというか見覚えのある科白が了平の口から出る。

 これに獄寺が疑問を浮かべ、綱吉が投げ遣りにも覚えるアドバイスをしていた。

 その自分には余り関係無いという様子に、クスリと笑ってしまう。
 何せ、綱吉はこの後、予想外である棒倒しの大将への選抜というか、了平の我が儘に目を白黒させ、表情をコロコロ変えていく事になったのだ。

 当然の如く湧き上がった不平も了平の命令と獄寺の脅迫という理不尽に消され、


「決定!棒倒し大将は沢田ツナだ!!」


の締めで遂に決定してしまう。

 盛り上がる獄寺と山本を他所に唖然としている綱吉は不憫というかなんというか。


「ビビったっス」

 そこに、髪を逆立て、制服に身を包んだ不自然な赤ん坊が現れる。


 …あ、リボーン。


 思えば、此方も接触した事が無い。とはいえ、山本と違い、リボーンの場合は余り接触しない方が良い、と頭の中で何かが囁いている。

 それは、主に本と鴻が理由な訳だが、そんな私の意図を友人(爆睡)は考えることもないんだろうな…。


 と、溜め息を吐いた瞬間である。


「隠れてろよ!!」

 その声に、視線を向ける。リボーンが綱吉に頭から手を被せられ、穴が空いた風船様に飛んでいく、その穴が空く一瞬だった。


 ニッ。


 目が合い、リボーンが微かに笑んだ気がした。
 何故だろうか、胸がざわめく。隠し事がばれた時の様な居心地の悪さに心臓が不協和音を奏でている。


 何か、これから面倒事が起こる予感がしてならない。



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