♪Side-K はあ、はあ…。 ちょっと、何? どういうこと? はあ、はあ…。 流石にウチも30分以上走り続ければ息が切れるらしい。 仕方がないので、立ち止まって両膝に手を置いて、地面を睨み付けた。 折角なので、一先ず現状を整理しよう。 事の始まりは一時間くらい前になるだろうか。 今日は部活が無いので、友人と帰る予定だった。 あ、補足すると、ウチが友人だと思っている人間だ。 というのも、彼女がそう思っているかどうかが今一不鮮明だからだ。 彼女、朝霧琳は、そういう女の子なのだ。 何せ、一緒に遊んでいてもウチを放って漫画に没頭し、挙げ句の果てには、そのままウチの存在を忘れてしまうのだ。 それが、当たり前の様に起こる。 その都度、ウチは苦笑いを溢すのだ。 けど、彼女と一緒にいるのは楽しいし、何より彼女は見ていると、色々と可愛いことをしてくれるのだ。 目の前を横切った黒猫を追いかけて迷子になった話には、堪えることが出来ず腹を抱えて笑ってしまった。 だから、ウチは彼女と一緒にいるし、少なくともウチは彼女を友達だと思っている。 で現在、その彼女が突然消えてしまった。 [*前へ][次へ#] |