02
なんとか落ち着いた私に、夏生と呼ばれた女の子は大丈夫かと声をかけてきた。私は頷くと椿先生の首から手を離す。椿先生の首を支えに中腰になっていた私は支えを失い椅子にストンと落ちた。頭がクラクラして給食の広げられた机に伏せる。お盆ごと給食が落ちる音がしたがそんなことどうでもいい。
【気持ち悪い】
教室に蔓延する食べ物の臭いも、耳に入るクラスメートになったばかりの他人の声も、夏生が過去の私を知っていることも。なにもかもが気持ち悪い。不快でしかなかった。
【気持ち悪い】
もう一度口を動かす。空気の漏れる音がやけに虚しかった。
あぁなんか吐きそう。そう思い立ち上がると目がチカチカして倒れそうになる。
「雪那」
私を支えた椿先生の手を振り切りトイレに走った。
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