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04

「そろそろ離してあげたらどうですか?彼女、苦しそうですよ」

苦笑いをしながら椿さんの肩に手を置く眼鏡を掛けた先生。あぁ…ごめん、と小さく呟き離れた椿さんに、私は首を振った。椿さんの体温がなくなって寒くなった私は小さく身震いをする。

「えっと…あれ、姉さんは?」
「あ、桐原さんのお母さんなら先程帰られましたよ」

仕事があるからと言ってました、と続ける眼鏡を掛けた先生に私と椿さんは顔を見合わせ苦笑いをした。

「じゃあ雪那、クラスへいこうか?お前は3年A組だから俺のクラスだ」

そう言う椿さんの後ろを黙ってついていく。教員室の扉を閉めるときに目があった眼鏡を掛けた先生に軽くお辞儀をして静かに閉めた。

「じゃあ、呼んだら来てくれ。」
ガラガラと勢いよく開けると、「みんな、おはよう」と椿さん、いや、椿先生は叫んだ。
「おはよー、椿センセ。今日、転入生いるんだろ?女?かわい?」

そんな声が聞こえてきて、ふぅ、と意味もなくため息をつく。ふと窓の外が目に入った。空は嫌になるくらい青かった。

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あきゅろす。
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