姉ちゃんと俺と3年E組
出会い
これは私が高校に入って初めての夏の話である。
7月下旬
気温は30℃を越え暑い日が続く。今日は終業式で午前中で終わった。私達はいつものように友達と駅前で遊んでいた。
明日からほとんどの学校が夏休みなのか駅前は凄く人で溢れていた。
とりあえず暑いので近くのショッピングモールの中へと入る。ファーストフードコーナーに行き空いてる席を見つけそこに座る。
その席で友達と雑談しながら携帯をいじっているとピコンと携帯音が鳴った。
《初めまして!良かった今から遊びませんかー?》
コミュニケーションアプリからこんなメールがくる名前はまたかと言う風に深く溜息をする。
その横で友達が相手のプロフィールやら写真を見て騒ぎ出す。
「ちょ!名前、この人ちょーイケメンじゃねぇー?」
『んー、そーかなー?』
「ヤバイって!今から遊ぼーよ!」
先程来たメールに返信するとすぐに返事が返ってきた。数回やり取りをし私達の前にその人が来た。
「初めましてー!名前ちゃんとマキちゃん?」
『どーもー』
「初めましてー!マキでーす!」
「2人ともちょー可愛いね!」
「そんな事ないですよー!アキラさんもちょーカッコイイです!」
「あははー、ありがとー」
私は友達と男のやり取りをぼけーっと見ていると、男と目が合い軽く会釈した。
いつの間にか話が終わったらしく席を立つ2人に一緒になって店を出る。
少し歩いて近くのカラオケ店へ入る。
個室に入るといつものように1番奥の席へ座る。
隣にマキが座りその隣に男が座る。
それからそれぞれ歌を歌いかれこれ1時間。
私とマキはお手洗いに行き話し合う。
「アキラさんまじカッコイイ!」
『んー、あたしは別に(笑)』
「ゆーと思ったぁ!私達タイプ真逆だもんねー!とゆー事でよろしくー!」
『りょーかい』
私はマキを置いて先にカラオケ店を出る。
空はもう薄暗く昼間より人が少なくなっていた。
特に寄る所がないのでそのまま駅に向かうと2人の男に声をかけられた。
「お姉ちゃん可愛いねー!今から帰るのー?」
こうやって声をかけられるのはよくある事なのでシカトして通り過ぎる。今回のは少し面倒くさいタイプで後を付いて来ながら話しかけてくる。
ハァと深い溜息を吐いたら2人の男はそれにカチンときて騒ぎ始めた。
「ちょっと待てってんだろ!」
『っ…離して下さい!』
ギュッと勢いよく手首を握られ立ち止まる。
手をジタバタとし振り切ろうとするも男の力に叶わずそのままズルズルと引っ張られる。
これはヤバイと思い誰かに助けを求めるも面倒事に巻き込まれたくない人達は私を見て見ぬ振り。
もうダメだと思うと恐怖で涙が込み上げる。
「ちょっとお兄さん等、彼女嫌がってるよ?」
「あぁ!?餓鬼は黙ってろ!」
声の聞こえる方を見れば男の前に赤髪の少年が立っていた。
『助けて!!』
私はその彼に助けを求めたが、たぶん中学生の彼は私を庇ってボコボコにされるなんて思っていた。
巻き込んじゃったと後悔し彼が無事でいますようにと強く願った矢先、中学生であろう彼は2人の大人をボコボコにしていた。
「お姉さん、大丈夫?」
『えっ、嘘…君こそ…大丈夫?』
「うん、俺はへーき。」
何事もなかったかのようにケロッとした表情で話す彼にびっくりし、先程の恐怖と安心で腰が抜けてその場に座り込むと彼は私を抱き上げ近くのベンチに座らせた。
『さっきはありがと』
「いーえ、俺は当たり前の事をしただけだからお礼言わなくったっていーよ。」
『いやいや!そんな事あるよ!本当に助けてくれて有難うございます!』
「それより手、大丈夫?赤くなってるけど」
『うわっ!本当だ!もう怖くて怖くて痛みなんかわからなかったよ!』
自分の腕を見てニヘラと笑えば心配した彼が近くの水道に行きハンカチを濡らして帰ってきた。
それを私の腕に巻き付け"腕早く治るといいね"と優しい声色で話す彼に少しドキッとした。
「お姉さん、名前聞いてもいい?俺、赤羽業。」
『あたしは前原名前。カルマくんは…中学生?』
「んー、そうだよ。お姉さんは高校生だよね?」
『うん。高1だよー』
「俺、中2ー」
『中2なの?あたしの弟と同い年だ!』
なんて少したわいもない話をしていると携帯音がなった。"ちょっと、ごめんね。"とカルマくんに謝り電話に出ると弟の陽斗で親父が帰ってくるから早く帰ってこいとの事だった。
慌てて時計を見れば19時になる手前だった。
『ごめん、カルマくん!あたしそろそろ帰るわ!それともし良かったらケー番交換しない?今日のお礼とかしたいし!』
「うん、いーよー」
『本当に今日は助けてくれてありがと!必ず連絡するから!カルマくんも早く帰りなよー!』
「はーい」
そして私は家へとダッシュで帰るのであった。
それが初めての出会い。
__________
暗殺教室長編初めました!
初めの方はどーでもいい感じですね(笑)
友達がだいぶチャライですねw
色々とごめんなさい。
引き続きお楽しみに!
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