姉ちゃんと俺と3年E組
水族館
あの海の1件から3日後。
私はカルマくんに呼ばれ駅前とやってきた。
「名前」
『カルマくんお待たせ!』
「じゃあ行こっか」
そう言うとカルマくんは私の前を歩いていく。
私はそれに続き横へと並ぶと同時に手を握られた。
それが嬉しくて手をユラユラと振った。
それから電車に乗り30分目的地に着いた。
そこは最近出来たばかりの水族館で人が沢山いた。
受付のレジへと並ぶと割と早く入場券を買うことが出来た。
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中はとても広くひんやりと涼しかった。
『見て見てカルマくん!大きいタコがいるよ!』
「あははっ、本当だぁー」
『なんかコロ先生みたいだね!』
「あれ、殺センセーだよ」
『うそぉ!?』
巨大水槽の前でタコを見つけ、いつか見た3年E組の担任コロ先生に似てるなど言ってると、カルマくんは真顔で殺センセーだと言うもんだから驚く。
「名前は騙されやすいねー」
『むっ…違う、今のは…』
意地悪そうな顔で笑うカルマくんに私はむっとし言いかえそうとしたら、ずっと後ろの方に例のタコがいた。
黙る私の目線を追ってかカルマくんもむすっとしかめっ面になり私の手を引いた。
途中にイルカショーの文字を探し立ち止まると気付いたカルマくんに声をかけられた。
「始まったばかりだけど見に行く?」
『えっいいの?』
「うん、俺も見たいし」
それから私達はペンギンと触れ合ったり、お土産を見たりと充実した時間を過ごした。
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あっという間に楽しい時間が過ぎ空は薄暗くなっていた。
ライトアップされた水族館は凄く綺麗でロマンティックだった。
『カルマくん、今日はありがと!』
「こちらこそ」
『凄く楽しかったよ!』
「うん、俺も」
水族館を後にし駅前まで戻ってきた。
近くの公園で水族館の話をしたりと時間はあっという間に過ぎていった。
私は携帯の時間を確認し"じゃあ…"と名残惜しいように言うとカルマくんに呼ばれた。
「名前っ」
『んっ…//』
するとカルマくんは私の手を引いて唇にキスをした。
いきなりの事で驚いたけど嬉しさで胸がいっぱいになった。
「明日、学校終わったら待ってるから」
『うん、じゃあ明日ね』
私達はその場で別れ帰路に着いた。
また明日会う約束をして
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おまけ
水族館入口付近
「ヌルフフフ…やっと楽しみにしていた水族館に来れました」
今までハワイやイタリヤ、フランスなど様々な国で夏休みを満喫して来た私はやっと日本に戻ってきました。
つい先日openした水族館…
楽しみですねー!
私はいつものように変装して人混みの列に並び、自分の番が来るのを楽しみにしていました。
周りからの視線は少しだけ気になりましたが普通を装いました。
「お次でお待ちのお客様ー!」
「!大人1枚でお願いします。」
やや不審がられてしまいましたが大丈夫でした。
ではお楽しみのイルカショーに!
と思い巨大水槽の横を通り過ぎようとしたら真っ赤な大きいタコに出会いました。
彼女は私を見るなりベッタリと水槽に張り付いてきました。
初めは気のせいだと思い通り過ぎようとしましたがやはり私の後を付いてきて、なんだか気まづくなってしまいました。
「ママーあのおじさんにタコさん付いて行ってるーなんでー?」
「しっ!指差さないの!いくわよ!」
「ねーママー!」
そして近くにいた男の子が私を見て指を差してくるものだから周りを見ると物凄い変な目で見られている事に気付きました。
まずいと思った私はマッハ20で水族館から出ていきました。
ゆっくりしたかったのですが、あまり目立ってはいけないので残念ですがまた今度来ますかね…
イルカショー見たかったですね…
そんな風に思いながら殺センセーの夏休みは終了した。
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