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S.A.K.U.R.A.
突然の誘い

「冬休み何か予定ある?」

走って来たのか彼の顔は少し赤かった。

『いや…特に予定はないかな…?』

「じゃあ、家に来なよ」

えっと?驚く私に彼はニッコリと笑う
私が返事に困っていると
予定ないんでしょ?と笑顔で言うもんだから
断りきれず承諾した。

「もう連絡はしたから早く準備しといで」

そうゆうと彼は寒いから入れて貰っていい?と言った。
私は入って入ってと彼を家に招き入れた。




名前の家は外見とは裏腹に
TV、テーブル、冷蔵庫、綺麗に整っているキッチンが目に入る。
余計なモノは一切ない。
どこか寂しげな部屋だった。
彼女は荷物をまとめる為に2階へとかけ上がる。

ふと周りを見ると半開きになっているドアを見つけ
不謹慎だと思いながらチラリと覗く
そこには仏壇があり名前の両親が写っていた。
名前は母親に似て笑顔が眩しかった。
父親も優しそうで仲が良かったのだろうと思う。
俺は線香を付け仏壇の前で拝む。

(名前を絶対に幸せにします。)

心の中でそう言うとカタンと彼女が入ってきた。








突然の事で驚いたけれど
小湊くんのあの笑顔を見たら断りきれなかった。
私には両親も親戚もいないので
何をしても自由だけれど
小湊くんの両親に迷惑がかからないか心配だった。
その心配とは裏腹に彼はもう許可を貰っていたらしい。

私は小湊くんを部屋に招き
部屋で準備してくると行って自室へ向かう。
正直彼が来てくれて嬉しかった。
一人で年末年始を過ごすのが怖かった。

大きめのバックに下着や私服や化粧品などを詰め込む。
一週間分となると結構な量になった。
それを持ちゆっくりと階段を下りる。
リビングに通したはずの彼の姿がない。
まさかと思い仏間に行くと彼は掌を合わせていた。



「勝手に入ってごめん。不謹慎だと思ったんだけど扉が開いてたからつい…」

『大丈夫!気にしないで!』

小湊くんが頭を下げると名前は少し困った様に笑った。

『準備出来たから行こうか?』

名前はそう言うと大きな荷物を見せた。
そうだね、そろそろ行こうか。と俺は言い
最後に二人で名前の両親の写真に向かい
行ってきますと頭を下げた。








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