S.A.K.U.R.A.
あの日の帰り道
そんなこんなで
7月中旬。
ある日彼女は学校を休んだ。
仲が良い藤原に聞いてみると
今日は名前の両親の命日らしい。
そんな事を知らない亮介は
あの日の帰り道を思い出した。
赤い屋根の大きな家。
一人暮らしには大きな家だ。
あの時の寂しげな顔
そうゆう事か。
その日は名前の事で頭がいっぱいで授業に集中出来なかった。
翌朝彼女はいつものように学校に来ていた。
藤原達とワイワイと盛り上がっている。
俺を見付けると笑顔でおはようと言った。
「おはよう、昨日は休んだみたいだけど大丈夫?」
休んだ理由は知っていたけれど
何も知らなかったような素振りで聞く。
『あーんー、ちょっと家庭の事情でね』
彼女の表情は少し曇ったが
いつもの笑顔をされたので
それ以上聞けなかった。
チクリ…
何故か分からないのだけど
俺の胸が少し痛みを感じた。
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