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S.A.K.U.R.A.
マネージャーとして

あれから1週間

私は貴子に誘われ野球部のマネージャーになった。
野球の事は全くわからなかったのだけど
貴子が一生懸命教えてくれたので少しは覚えた。

初めはドリンク作りや部品の管理をして
部員達と係る事はなかった。
それになれた頃初めて部員達の練習を見にグランドに行く。



ザワザワと雑音が聞こえる中
野球部員達がグランドを走り回る。
その団体が走り終えたのを確認すると
急いでドリンクを配りに行く。

『お疲れ様です!ドリンク持ってきました!』

「さんきゅー」

「ありがとう」

みんなに配り終えると
後ろから小湊くんに呼ばれ駆け寄る。

「おかわりお願い」

そう言うとボトルを私に渡し
タオルで汗を拭く。
急いでドリンクを作り彼に渡すと
ありがとうと笑いふたを開け
ゴクリと喉を鳴らし飲み込んだ。

汗で濡れたユニホーム
顔に張り付く髪の毛
小柄にして男らしい背中
その姿に見入っていた。

「名前どうかした?」

『あっ!ごめんなさい!なんでもないです!』

小湊くんはクスリと笑いそお?と笑う
その笑顔に私もつられて笑う。




休憩が終わりまた練習が始まる。



私達マネージャーは
家庭科室を借りて
おにぎりを作る準備にとりかかる。
初めて作るおにぎりは
形がいびつながらもちゃんと出来た。




時間は既に19時を迎え練習が終わる。
それと同時に私達マネージャーは
部員全員にお茶とおにぎりを配る。

お腹が空いていたのか
勢い良く食べ始める彼らに驚きつつ
私達も食べる。

「隣座ってもいいかな?」

小湊くんが私の隣に腰掛けると
これ君が作ったの?とおにぎりを見せる

『うん!どうかな…?』

不安そうに彼に問うと
おいしいよとおにぎりを食べる。
俺の大好きなツナマヨだしと付け足した。
なんだか恥ずかしくなり顔が赤くなる。
それを見た彼はまたクスリと笑う。


食事が終わり片付けが始まる。


時間は20時になろうとしていた。
暗いし安全の為にマネージャー達を見送ってやれと
監督が言うので私達はそれぞれ帰る準備をする。

「名前!私は哲くんと家が近いから一緒に帰るけど名前はどうする?」

「大丈夫。俺が一緒に行くから。」

貴子に聞かれ答えようとすると
小湊くんが先に答えた。
じゃあ行こうかと彼が言うと私の前を歩きだした。
それを小走りで追いかける。





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あきゅろす。
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