[携帯モード] [URL送信]

S.A.K.U.R.A.
甲子園を賭けて


この3ヶ月全力で戦ってきた。
いよいよ西東京大会決勝戦。
稲城実業との甲子園を賭けて真剣勝負だ。
やっと此処まで来た。

去年、一昨年と惜しくも甲子園行きを手放した私達。
これが最後の戦い。
いや、これからも続く!
今年の夏は青道がてっぺんを取るのだ!
期待と不安が混ざり合う。
選手達も皆緊張していた。

『亮介くん…』

「大丈夫、必ず甲子園に行くよ」

『うん、そうだね!』

「じゃあ、行ってくる」

亮介くんはいつもの笑顔で私に言うと
列に整列し号令と共にお辞儀した。







______________



「「「うぉぉおぉぉお!!」」」


「ゲームセット!」


「9回裏、激的な流れ!2時間53分の死闘に終止符を打ったのはエースのバットでした!昨年夏に続き2大会連続!西東京120校の頂点に立ったのは稲城実業高校!!」

「「「うぉぉおぉぉお!!」」」


「信じられないと言った青道の選手達!夢の舞台まで後アウト1つ!後アウト1つ届きませんでした!」


球場内にアナウンスが流れる。
名門復活を懸けた夏、予選敗退。
観客の騒ぎ声が響く中私達の戦いは幕を閉じた。
選手達は勿論マネージャーの私達は涙を流した。

私達は折り鶴を持ち稲城実業のバスの方に向かった。
カメラのフラッシュで輝く彼等に折り鶴を渡しその場を去る。
青道のバスへ向かう涙を堪えながら着くと哲くんを始めとする選手達が挨拶を終えていた。
殆どの選手が涙で目を赤く染め、生徒や保護やOBに励ましの言葉を貰っていた。


バスに乗り込み学校へと向かう。
中はシーンと静まりすすり泣く声が響いた。
私達3年生はこれで引退だ。
2年半と長いようで短い時間は終わってしまった。







[*前へ][次へ#]

18/21ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!