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S.A.K.U.R.A.
お姉さん


教室に戻るとチャイムが鳴り私達は席についた。
授業が始まり集中しようとすると先程、沢村くんに言われた言葉が浮かぶ。

"お姉さん"

その言葉に嬉しくなりに頬が緩む。
将来そうなればいいなぁなんて思いながらにやけていると先生に当てられた。
私はあたふたと答えるとクスクスと皆が笑って恥ずかしくなり顔が赤くなる。
無事に授業が終わり机に伏せていると亮介くんが来た。

「考え事でもしてた?」

『えっ、あぁ、うん』

ふーんと言うと私の前の席に座る。
そして耳元で呟いた。

「お姉さん」

『っ!!』

私はびっくりして亮介くんを見上げれば
少し意地悪そうに笑った。
図星だったので顔を真っ赤になる。

『どうして分かったの?』

「名前の事ならなんでもわかるよ」

亮介くんは得意げに笑うと私の頭をポンポンと撫でた。
そしてまたチャイムが鳴り次の授業が始まる。


今日の授業はなんだか頭に入らず気付けば放課後になっていた。
着替えを終えグランドに迎えばみんなランニングをしていた。
急いでドリンクを作りいつもの場所に置けばランニングを終えた部員達が集まる。

『お疲れ様』

「ありがと」

その中の亮介くんにタオルを渡す。
タオルを受取り汗を拭く姿は本当に水も滴るいい男だなあなんて思う。
そんな事を思っていると休憩が終わり練習試合が始まった。


甲子園まで後3ヶ月。
最後の夏が始まろうとしていた。









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あきゅろす。
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