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S.A.K.U.R.A.
繋いだ手

部屋に戻ると小湊くんと春市くんが
何やら映画を見ていた。
それはホラー映画で黒髪の女性が白目を向いて近くにいる人を襲っているシーンだった。
あまり得意じゃない私はビックリして持っていた荷物を落とした。

「名前、大丈夫?」

『ごっごめん。ビックリしちゃった』

「名前さん、こうゆうの苦手ですか?」

『うーん、あんまり得意じゃないかな…?』

落とした荷物を拾いニヘラと困ったように笑った。
すると小湊くんこっちにおいでと手を招くので隣に行く

「ここ座って」

隣へと腰掛けると小湊くんは私の手を握る。
彼の手は私より一回り大きくて温かかった。
そして映画へと目線をやる彼の横顔は少し赤いように見える。
怖い話が苦手な私たまに画面を見る程度だった


繋いだ手は熱を帯びており鼓動が早くなる
胸の鼓動が聞こえるのではないかと不安に思うと
いつのまにか映画は終わっていた。

「そろそろ寝ようか?」

『あ、うん』

「名前は下のベットで寝ていいから。俺は春市と寝る」

『気を使わせてごめんね?ありがとう。』

「いいえ」

そう言うと小湊くんは上に上がり
おやすみと言った。
私もおやすみといい布団に潜る。

その布団はお日様の匂いと微かに小湊くんの匂いがした。
彼の香りで私の心臓はドキドキと激しくなる。
大好きな彼に包まれているような気がし
なかなか寝付けなかった。









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あきゅろす。
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