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6*



「ッハァ、荒北、かわいーナ。おんなのこみたいだ」

(っざけんな…!)

腰だけを掴まれて、獣みたいに犯される。もう何度目か、数えるのはやめてしまった。

頭を押さえつけられているせいで奥まで流れ込んでくる男の欲望が気持ち悪い。

荒北の下腹部はうっすらと膨らみ、もう長い時間嬲られ続けているのがわかる。

「ふくらんでる」

男は執拗に荒北の下腹部をなでた。

そこに愛しい何かが詰まっているかのような、ねっとりした手つきだった。

「俺と、荒北の、あかちゃん」

うっとりと呟く男の声に、ぞっと怖気がした。

孕むはずがないとわかっているはずなのに、執拗になでられて、中に出されて、まるで自分の体がおんなに作り替えられているように錯覚してしまう。

男の手が腹から平らな胸にまわり、薄い肉を揉み込みながら乳首を嬲る。

そんなところで感じるわけがないと思いたいのに、度重なる行為で敏感になった体は、荒北の意志に反してびくりとはねた。

気を良くした男に乳首をつねられ、引きちぎられるかと思ってしまう程引っ張られて、下肢はずっと男の性器に嬲られて、荒北はもう力なく喘ぐしかなかった。




無理矢理犯されて、熱が出れば甲斐甲斐しく世話をされ、回復すればまた犯される。

何日も何日も、気が狂う程繰り返された。

出された食事をおとなしく口に運んでいた荒北は、ある日を境に食べ物を受付けなくなった。


あまりに吐き気が酷くて、ほんの少しの食べ物のニオイすら駄目で。

熱がある時を除いてほぼ毎日中に男の欲望を吐き出された腹は、精を詰め込まれた感覚が残っていて気持ち悪い。

それに何を食べたってどうせ全部無理に下から出されるのだから、食べても意味がないと思ったからかもしれない。


それでも水分を取らないと頭がぼーっとして何もわからなくなるから、口もとに寄せられる水分だけは腹に入れた。

コーヒーは強い香りが駄目だった。紅茶は飲んだ後尿意が我慢できず、男のいないときに漏らしてしまってから口にできなくなった。

さらっとした、酸味のあるオレンジジュース。口に広がるオレンジの香りが心地良くて、そればかりねだった。


カチャカチャと耳障りな拘束具にも慣れてしまって、自分はどうなってしまうのだろうと思った。

抱かれることに慣れてしまった体は、男の手が触れるだけでも簡単に熱を持つ。

どんなに気持ち悪く苦痛でも、荒北の心なんかおかまいなしに、体は快感を拾った。

悔しくて、苦しくて、作り替えられて行く体が怖くて。

俺は男だ、女じゃない。そう口に出さなければ、本当にオンナになってしまいそうで恐ろしかった。




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