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やわらかな声が俺の名を呼ぶ。


平時からそうしていればいいのに、と思いながら返事を返す。


彼が怒るのは大抵俺が原因だ。

わかっていてなお怒らせるのは、彼の表情なら何だって見たいと思うから。

彼の表情はすべて、一人占めしていたかった。



彼の機嫌は、俺の行為でほぼ決まった。

ちゃんと政務をこなせば笑み、逆にサボれば怒る。


それが、うれしいと言ったら、彼はどんな顔をするのだろう。



でも今は、やわらかい声のもとへ急ごう。

きっと、俺にとってもうれしいことが待っているのだろうから。





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