3
ある日、町で偶然紅とオレンジを見つけた。
かつて宿敵だった男と、その部下。
目立つ色彩はそのまま、隣町の高校の制服を着ていた。
生まれが違ったのだと悟った。
彼らはもう身分など関係なく、友人として生きている。
年も同じなのだろう気を許した雰囲気はかつてはないものだった。
俺のほうが、紅よりも年上だったのに、とふと思って、首を振る。昔のことだ。
俺にはしなければならないことがあった。
早く金を稼いで、あの家から出なければならない。
いくら庇護が必要だとて、もう、あの家にいるのは耐えられなかった。
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